ODIOUS FIGURE

PBWシルバーレインより、工藤一弥(b02096)の…色々。

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【清翠磨牙】リプレイ

なんとか……執筆完了…………。
参加した月村と三神先輩と、協力してくれた高瀬先輩はお疲れ。

先に言っとくが、ブラッシュアップは一切してない。―――長いぞ。






―――――――――――――――――――――――――――――――


●真っ先に
正面口を潜った時、三神・清流(源清流清・b02342)は頭も垂れ垂れ気落ちしていた。
せっかくの夏休みなのに、とは、ある意味で非常に健全な高校生らしい主張とも言える。
「男でしょうよ、少しは理代を見習いなさいな」
早速ネガティヴな清流とは対照的にやる気一杯の月村・理代(翠天剣士・b03267)とを
見比べて、苦笑交じりに喝を入れたのは高瀬・洋恵(テンクチャー・b05079)。
無事に修行を終えたら奢ってあげるわよ、と子分の背中をぽんと叩いて先を促す。
一方の理代はと言えば、手袋を着けた右手を握り締め、なるほど傍目には気合充分。
しかし内心(アザレアなら何度も来てるし楽勝楽勝♪)とか、むしろ油断充分だったり。

一同の様子を少し後ろから窺っていた工藤・一弥(スターレス・b02096)は、彼らの
心境を知ってか知らずか、眉間に皺を寄せ黙して語らない(※いつものことである)。
やがて洋恵も後ろに下がり横目に一弥の様子を見て取るや、自らも気を引き締める。
これは清流と理代二人の修行に他ならず、うっかり暴れてしまわない為にも。

洋恵と一弥は、清流と理代が危険と判断した時以外手出ししない。そんなルールだ。


●いつも通りに
アザレア国際交流センターと言えば、銀誓館学園開校以来初めて能力者達の目に触れた
ゴーストタウンであり、清流と理代が考えている通り、誰もが幾度と無く足を踏み入れた
場所に他ならない。
だからこそ、一弥はここを修行の場として選んだのだ。
たとえば、敵の手の内を知り尽くしたゴーストタウンで。
たとえば、こんな風に気心の知れた仲間と肩を並べて。
その時、窮地に陥ったら―――どう切り抜けるのか?

一階は初戦で理代がゾンビの強さに思わぬ苦戦を強いられはしたが、身を呈して彼女を
庇いながら果敢に錫杖を振るう清流の姿に、己を叱咤したようだ。
清流は常に理代とは離れ過ぎず、理代もまた分散せずに各個撃破を旨としていた。
互いの得意分野が異なっていた点も手伝って、二階も確実に進んでいく。

理由はわからないが、あるいは能力者が強くなるということは、それだけ銀の雨が
世界結界を蝕んでいる証なのかも知れない。
ことの真偽はともかく、事実としてこの場の四人に見合った強さのゴーストが現れる。
そして、今実際に戦うのは、そのうちの二人だけ。
「……大丈夫だよな!? 楽勝だよな!!」
明るく振舞う清流だったが、誰よりも嫌な予感を禁じ得ず、それを払拭する為だろう、
思いの外大声になる。

しかし、先に進めば進むほど、苦戦は必至だった。


●なんか一杯に
「コラー!何やってんのー!」
ゾンビの攻撃を受け止める理代の口から飛ばされたのは、他でもない清流への叱咤。
三階の至る場所に設置された姿見。それらに身を映す度にゴーストが現れる。
集中力が途切れたのか「帰りに美味しいアイスでも買って帰ろう」とかぼんやりと
考えていた清流は、期待を裏切らずにそのまま鏡に映った。
問題はその後。理代に叱られた焦りからか、柱にあった鏡から遠ざかろうと慌てて
身を退いた先には―――壁に鏡があった。
「わっ、ごめん!」
これはマズいと飛び退いたものの、そこも鏡の直線上。
「ちょっ」
続々と姿を見せる雅鎖螺、ナミダ、ゾンビ、ゾンビ……エトセトラエトセトラ。
子分の様子を見守っていた洋恵は、あちゃーと苦笑しつつ顔を手で覆う。
対照的に相も変わらず表情を変えない一弥。
「注意力散漫っ! 落ち着いて深呼吸!」
「ハ、ハイ!」
洋恵の檄にようやく緊張と落ち着きのバランスが取れた清流も、錫杖を掲げて十字の
後光を発現し放たれた衝撃波は三体のゴーストに叩き付けられた。
始めは清流の様子に笑顔交じりだった理代も、これは多過ぎとゴーストの数が増すに
つれて、次第に焦りの色を隠せない。
眼前のゾンビを一体また一体と斬り伏せて周囲を見渡すと、そこにはゴーストの
群れという群れが有象無象犇き合っている。
「一弥師匠ー!洋恵さーん!助けて~!」
耐えかねた理代が悲鳴をあげるのと一弥が敵の真っ只中に飛び込むのは同時だった。
洋恵はやれやれと不敵に笑むや、頭上にて剣の旋風を巻き起こす。
剣を振りかぶる一弥の姿を視界に収め、それを機と直感した清流が再び放射した
煌く衝撃に巻き込まれたゴースト達に、理代と一弥は闇の太刀を、洋恵は業火を放ち、
一瞬にして三体が崩れ落ちた。
「一気に片付けるぞ!」
屋内に入ってから初めて口を開いた一弥の掛け声に、他の三人も力強く頷く。


●どうにか前に
流石に互いを知る者同士ということもあり、息の合った連携の前では、強化された
ゴースト達と言えど敵ではなかった。程無くして三階の踏破を終えた一行は、しかし
先刻の戦いによる疲労を、確実に蓄積していた。

果たして四階に辿り着いた四人は、アリイノシシと対峙していた。
例のスイッチで壁が回転する部屋でのことである。
息を荒げて何度となく床を踏み鳴らし、見定めた先は―――清流。
彼と目が合った刹那、アリイノシシはその巨体に身を任せて突進を仕掛ける!
対する清流は三階での失態を省みて、これ以上足を引っ張るまいと良く見切り、
後方へ飛び退くことで、着地の際に少々よろけはしたものの見事に避けてみせた。
清流が勢い余って背面にあったスイッチを押してしまったことに、誰一人気付く者も
ないまま……。
間髪を居れずに部屋の内側――未だアリイノシシの居る――に踊り出た理代が、
鋭く踏み込んで仕返しとばかりに袈裟切りを浴びせる。
間合い、威力、タイミングの全てが揃った一撃は、その巨躯をさえ屠るには充分。
「一弥師匠!今の見ててくれてまし―――」
ばたん。
断末魔をあげるアリイノシシに背を向けて、師匠にいいところを見せたかった理代が
嬉々として喋りだした矢先に、一弥と清流の視界から、弟子と親分が消えた。
「あれ? ……俺、もしかして!」
振り向いた清流の視線の先、スイッチは光っていた。
代わりと言っては何だが、今まで壁だったところの向こうには、道化の面をかぶった
少女、デラルテの姿が見える。
その更に向こうに居るゴースト達もすぐに駆けつけるだろう。
「……三神先輩、援護を頼む!」
「あ、わ、わかった!!」
即座に切り込んでいく一弥の背に答え、清流も錫杖を構えた。
そうだ。まずは目の前の敵を倒さなければ二人の安否どころではないのだから。

「―――た?」
壁は何も答えない。せっかくの屈託無い笑顔も台無しである。
「ぎゃー!嘘ー!?」
慌てて周囲を見渡せば、そこに居たのはアリイノシシと剣オオカミと、洋恵だった。
「落ち着いて!」
ひたすらオロオロしていた理代も、一匹ずつ挟み撃ちにすると続けた洋恵の声に我を
取り戻す。
洋恵がアリイノシシを、理代が剣オオカミを牽制しつつ、二人はゴースト達を囲むように
弧を描いた。剣オオカミが理代に牙をむいた刹那、理代はサイドステップで避けた勢いに
任せてアリイノシシの背面に逆袈裟切りを放つ。洋恵がその好機を逃すはずなどなく、
イノシシの鼻っ面目掛けて横一文字に容赦のない斬撃を見舞った。
「よし!」「次っ!」
不規則な角度で身体を三分割されたアリイノシシに目もくれずに、洋恵は理代の背後を
庇うように剣オオカミの行く手を阻む。再び飛び掛るオオカミの牙を刃で受け留め、
剣の位置はそのまま踊るように翻して側面へ。直前まで洋恵が居た場所には後ろで
気を窺っていた理代がすぐさま踏み込み、ここぞとばかりに真っ向から刀を叩きつけた。
理代の一撃がインパクトする瞬間、洋恵は長剣を顎から引き出し刃を返して剣オオカミの胴に突きを繰り出す。
如何に力の増したゴーストといえ、手の内を熟知した敵に遅れを取る二人ではなかった。
二体目の断末魔を待たずして、理代は戦闘中の毅然とした面持ちからはうって変わり、
不安一杯の顔で心底清流と一弥の身を案じる。
「うわーん!がんばってー!」
理代に、洋恵は彼女にしては珍しく柔らかい表情で、肩をポンと叩いた。
「心配ないわよ。……あんたの師匠と、うちの子分なのよ?」
子分は若干不安材料でもあるけどねと、どこか悪戯っぽく笑う。
幾分気が和らいだのか理代も笑い返すが、やはり心配そうに閉ざされた壁を見つめ続けた。

真っ先にデラルテを倒そうと走る一弥の行く手を、ゾンビが意外に素早い動きで阻む。
一弥は漆黒が剣に纏わり付くまま深く踏み込んで平突きを繰り出すが、よりによって敵が
突き出した掌を盾にされ、手は貫くものの決定打には程遠い。
「一弥! そいつは俺が!」「任せる!」
仲間が剣を引き抜く勢いに任せゾンビの横をすり抜けると同時に、清流は光を眼前に集め
それを一振りの鋭い槍と生し、穿つ!一弥は自身が避けた先にて衝撃波を身構えていた
ゾンビガールを一刀の元斬り伏せる。しかし、この時、二人の身体が攻め手の予備動作に
支配される一瞬のこと。
「ぐぁ……!?」
デラルテに絡まった蛇が伸びて一弥の背中に噛り付き、ジャケットごと肌を食い千切った。
思いの外傷が深いのか、彼の髪の色と同じ液体が背を伝い、床を染めてゆく。
清流は呪符を取り出すと、癒しの念を込めてよろめく一弥目掛けて真っ直ぐに放る。
治癒符が背の傷を癒す頃合いを見計らうように次なる蛇の頭が一弥を狙うものの、これは
その獲物たる剣士が片足を軸に身を翻してかわす。そして蛇が戻る間際。
「当たれ!」
敵の攻めの最中に更なる光の槍を形成していた清流は、宙を漂うデラルテに他の追随を
許さぬ速度でそれを飛ばす。視界の隅にその光を認めた一弥は槍がデラルテに届く時、
既に自らの間合いまで詰め寄っていた。防ごうと蛇の首が幾筋も軌道を遮るが、尽く
千切れ弾け飛ぶ。そして穂先がデラルテの胸を捕らるのと同時に、一弥は全力でリリスの
胴を薙ぎ払った―――。

「無事でよかったよぉ~~!」
ほとんど泣いてしまっていた理代に応じる元気も無いほど、清流は気疲れしていた。
一弥は……少し肩で息をしていたが、相変わらずの仏頂面でそんな二人を見つめる。
けれど、そのジャケットの背に破れた痕を確かめた洋恵は、戦いの一部始終が目に浮かび
小さく溜息を吐くのだった。


●鎧讐王に
アザレア国際交流センター五階。
ここのゴースト達の頂点に立つ自縛霊を倒せば、施設内のゴーストは全て消滅する。
その自縛霊―――鎧讐王に狙いを絞るのが常套手段だという点に疑う余地は無い。
この建物に何度も足を運んだ能力者なら誰もが思い至る結論であり、それは理代と清流に
しても同じだ。
二人は脇目も振らず鎧讐王の居る部屋を一直線に目指し、他のゴーストに行く手を
阻まれても慌てることなどなかった。
当然である。ここに至るまでの戦いに比すれば、どれほど容易いだろう。
並み居る闇の住人達の垣根の向こう、真っ赤な鎧武者の姿を見定めて、二人は
右手を前に突き出し、広げた。
理代の影が身体を伝い、清流のかざした腕に光が集い、二人の掌に宿る力の奔流。
「光と闇のコラボレーションだね!」
「ああ! これで終わらせるぞ!」
源の対なる、あるいは本質的に同種の力なのかも知れないが。
それらは迫り来るゴーストの狭間を縫い、やがて空中で光輝の槍に暗黒の手が絡まり、
一本の太い縫い針のようになりながら荒々しく鎧讐王の巨体を突き破った。
「やったね!」

鎧讐王が霧散し、その後を追うように周囲のゴースト達が言葉には表し難い悲鳴と共に
消えゆく中で、理代と清流を見守っていた洋恵が腕組みして笑う。
「良いコンビネーションじゃない」
「……そうだな。二人とも、思ったよりかなり使う」
洋恵の目配せに答える一弥は、更に続けた。
「さっきデラルテとやり合った時も、助けるどころか逆に窮地を救われた」
「……みたいね。大方一人で突っ込んだんでしょ」
あんたのことだから、とからかう口調の洋恵も、理代の様子を思い出して腕を組替えた。
「あの子も中々のもんよ。荒削りだけど太刀筋は良いし、何より勢いが、前向きな力が
剣を活かしてる」
ばつが悪そうにしていた一弥だが、修行を終えた二人を穏やかな目で見ながら呟いた。
「あいつと、三神先輩にもそれがある。だから多分……俺より強くなる」


●夏の終わりに
外に出ると既に空は赤く、鴉が鳴いていた。

油断するつもりは無かったものの、慣れた場所につい気が緩んでしまったと理代は語る。
「最初簡単だと思ってたけど、結構きつかった……」
「俺も……もうヘロヘロで死にそう……」
清流の方は、緊張の連続で色々とミスをやらかしたことと、そのせいで要らぬ気苦労を
背負い込んだことがなによりこたえたらしい。
「おめでとう、お疲れさん」
思ってたよりずっと良くやったわ、と、そんな清流と理代に惜しみない笑顔で労う洋恵。
「はい! これからも精進しまっす! ……ところで」
三人を見回して理代は元気一杯に名案を声に出した。
「修行の後はお腹空きません? 空きますよね? 皆でどこか食べに行きましょう♪」
「そうね……。ちょっとぐらいは奢ってあげるわ」
最初からそのつもりだった洋恵が断る理由はなく、清流と一弥も異論は無いようだ。
一同が思い思いに歩き出す中、洋恵が一弥に耳打ちをするには、
「……少し出してちょうだいよ」
「ああ……半分もとう」
あまり顔には出さないものの、二人の強さを確かめられた一弥としても、何かの形で
労いたい気持ちがある。

理代が皆を急かすように先陣を切り、微笑みながら続く洋恵を追う清流の口から、
決して浅くない疲労の溜息が漏れる。
そんな彼に、赤髪の剣士がぽつりと独り言のように言った。
「今日は助かった。恩に着る。あんたはもう立派な能力者……いや、立派な戦士だ」
今度こそ独り言で俺よりもずっと、と呟いたのを、果たして清流は聞き取れただろうか。




もうすぐ、清流にとって高校最後の夏が終わる。
けれど、これから先も銀誓館学園に居る限り、様々な事件に巡りあうに違いない。
その時、仲間達と肩を並べ、彼らの力と、助けとなる自分で在らんことを、願わくば。



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この記事に対するコメント

参加者各位は本当にお疲れ。
そのうち何かあるかも知れないから、覚悟しといてくれ。

しかし、今回は……戦闘描写に偏り過ぎたか。
【2007/10/16 02:17】 URL | 一弥 #g7.AOuZg [ 編集]


わぁぁーー!!執筆お疲れ様です&ありがとうございました!
実際にGT潜って、それについてのプレイングから偽シナという試みは初めてで、すっごく面白かったです!
アイディアと、濃い内容のリプレイに感謝!
感想は別途お手紙で送ります♪
本当にありがとうございました!
【2007/10/17 11:48】 URL | 理代 #2M4XNDaw [ 編集]

お疲れ様ー!!
修行リプレイ読み応えたっぷりだー!真剣な
所もあるし、俺の萌え萌えドジッ子っぷりも
描写されていて二度美味しいな!!今回は
実際GTで行動してそれをリプレイするって
いうのが凄く新鮮だった。

俺も感想今度手紙で送るな。今回は修行誘って
くれて本当にありがとう!

それでは またな!
【2007/10/17 23:19】 URL | 三神清流 #mQop/nM. [ 編集]


修行の形式に関しちゃ、なるべく各々がプレを
書く段階で負担になり過ぎないようにって考えた。
(GTで負担ありまくりな気もするが気のせいだ)

しかし……今読み返してみると、アザレアのことを
知らない人にとっちゃちんぷんかんぷんな内容だな。
情景描写が総合的に足りてなかったり、まだまだ
反省点が多い……。

二人が楽しんでくれたならなによりだが、次があれば
今回よりマシなものを提供できるように、俺も頑張る。
【2007/10/23 17:24】 URL | 一弥 #g7.AOuZg [ 編集]


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プロフィール

工藤一弥

Author:工藤一弥
ID:(b02096)

性別:男
職業:高校生(魔剣士)

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