ODIOUS FIGURE

PBWシルバーレインより、工藤一弥(b02096)の…色々。

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忌まわしい人(中編)

後から思い出してみて疑問に思うことって、ないか?

何故あんなことをしたのか。
何故あんな風に思ったのか。
何故あの時。
何故。
何故。

俺がこの剣を手にする時のことは…今思い出してみても、わけがわからない。
何故、俺には確信が持てたのか。答えは未だ見つからない。




あれから熱を出して寝込んだ俺は、ずっと悪夢にうなされてた。

あのクラスメイトが恨みがましい目で俺のことを睨み付ける。
やがてそいつが自縛霊の手に引かれて…この世界から、消える。
目の前で起きる一連の出来事に、俺は何もできなくて―――。

よく覚えてないが、そんな夢を繰り返し見てた…気がする。


何度身を強張らせて目を覚ましたのか。
汗にまみれた身体を起こして、荒い息を整える。
下着を取替えがてら汗を拭きながら、考えた。
違う。もう結論は出てた。

寝汗で冷え切った、けれど頭だけは熱いまま、俺は寝室を出た。


―――そうさ。決まってる。

礼拝堂に続く廊下。

―――俺がこの先、どう在るべきか。

目に付いた扉を片っ端から開けていく。

―――俺は誰とも関わらない。

ただひとつ。あるものを探して、駆け出しの泥棒みたいに部屋を散らかす。

―――俺は独りじゃなきゃいけない。

ない。どこにもない。アレはどこだ。とうとう礼拝堂に足を伸ばす。

―――俺は強くならなきゃならない。

長椅子の下。ない。オルガンの傍。ない。

―――俺みたいな子供が強くなるには武器が必要だ。

壇上の卓をひっくり返す。ない。

―――武器はどこだ。

ない。ない。ない。ない。…ない!何故どこにもない?

―――どこかにあるはずだ。

茨の冠をかぶり、十字架に貼り付けられた男の像。その後ろに。

―――あった。これだ。父さんも人が悪い。何故こんなところに隠しとく。

ちょうど、十字架に隠れるように垂直に収まって。

―――俺にはこれがなきゃ、生きてけないってのに。

それはあった。

―――随分錆びてる。ちゃんと使えるんだろうか。俺に力をくれるんだろうか。



あちこち刺々しい意匠のそれは酸化が進んでて紅く、触るだけで手に赤茶けた
粉がべっとり付く。けれど、それは。
それは―――確かに一振りの剣だった。

ずしりとした重みを感じながら、どうにか両手で支え、天に向けて掲げてみる。
ふと、刀身の根元、刃に沿うように小さく、文字が刻まれてることに気づく。
アルファベットと似てるが、少し違うような。
元々英語すらロクに知らない上に、赤錆でところどころ消えかけていて判別し難い。
気にはなったが、今はそれ以上に大事なことがある。

―――あの自縛霊をなんとかするんだ。



あちこちを荒らしたまま、俺は教会を後にした。錆びた剣を片手に。


                         (続く)
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Author:工藤一弥
ID:(b02096)

性別:男
職業:高校生(魔剣士)

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